中京大学と名古屋市博物館・美術館・科学館 「ミュージアム・パートナーシップ」の覚書締結 文化施設3館同時に大学と相互連携は初めて

 中京大学は、名古屋市の博物館・美術館・科学館との間で新たな連携事業に取り組むことになり、1月26日、市美術館で行われた相互連携に関する覚書(ミュージアム・パートナーシップ)の締結式で、梅村清英・梅村学園理事長と下田一幸・名古屋市教育委員会教育長が調印した。
 今回の相互連携事業は、互いの多様な人的、知的資源を活用した交流を進め、生涯教育活動の充実・推進、学生の実践的教育の向上などで相乗効果を発揮するのを目的にしている。2014年4月に締結された本学と名古屋市教委の相互連携協定に基づいており、名古屋市の文化施設3館が同時に大学と連携事業を展開するのは初めてとなる。

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   覚書締結後に握手する梅村理事長(左)と下田教育長


 具体的な連携事業は、3館が展覧会などの事業に学生の参画を促すほか、教職員や学生の研究、授業で収蔵品の鑑賞が必要な場合は鑑賞の機会を提供する。また、団体解説会などの学習の場の提供や、授業への学芸員派遣、イベントの共同企画やボランティアの受け入れなどを想定している。
 過去の連携事業では、中京大学人工知能高等研究所と名古屋市科学館が2013年9月に相互協力協定を締結し、これに基づき、親子向け工作教室を毎年開催している。

 覚書に署名後、梅村理事長と下田教育長は握手して連携事業の推進を誓い合った。梅村理事長は「覚書締結をきっかけにして、学生が密に3施設で勉強させていただき、より教養を高めていきたい。教育連携が図れることを祈念しています」と挨拶、下田教育長は「新たに芸術、文化の分野でも強い絆を結ぶことができました。中京大学のチャレンジ精神を私共に注入していただきたい」と話した。

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 挨拶する梅村理事長(右から2人目)。左は安村学長と北本理事

 締結式には、学園から安村仁志・中京大学学長、北本暢・梅村学園理事らが出席。市教委からは、西淵茂男教育次長、3館の館長らが出席した。式の後、梅村理事長、安村学長、北本理事らは、美術館で開催中の企画展「ポジション2016 アートとクラフトの蜜月」を観覧、この地方で活躍する作家たちの個性あふれる作品を堪能した。

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  美術館で開催中の「アートとクラフトの蜜月」を鑑賞する学園関係者


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 名古屋市の博物館、美術館、科学館の概要は次の通り。 

名古屋市博物館 1977年に開館。名古屋を特徴づける歴史資料を中心に、収集資料は約2万2000件、24万点に及ぶ。常設展「尾張の歴史」では、旧石器時代から現代までのこの地方の歴史を紹介している。また、特別展示室では国内外の優れた文化遺産を紹介する特別展と、名古屋を中心とした尾張地域の歴史文化を掘り起こす企画展を開催している。場所は名古屋市瑞穂区瑞穂通1の27の1。

名古屋市美術館
 1988年開館。近代、現代の郷土作家の優れた作品を系統的に収集することから始め、現在は「エコール・ド・パリ」「メキシコ・ルネサンス」「現代の美術」も収集している。収蔵作品を展示する常設展と、特別展を開催している。場所は名古屋市中区栄2の17の25(芸術と科学の杜・白川公園内)

名古屋市科学館 1962年に「天文館」、1964年に「理工館」、1989年に「生命館」が開館。世界一の大きさのプラネタリウム(天文館)をはじめ、「水のひろば」など自然の不思議を体感できる四つの大型展示(理工館)などがある。場所は市美術館に隣接している。

 

 

2016/01/26

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