文学部歴史文化学科で初の研究発表会
1年間のフィールドワークで4大綱の力培う

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発表する歴史文化学科の学生  19チームが発表した

 

 文学部歴史文化学科の2年生19チームがフィールドワークで得た研究成果を12月4~18日の3週にわたり発表した。その表彰式が、1月8日に行われた。発表した週ごとに入賞テーマが選ばれ、「名古屋の航空産業」、「松坂屋の経営戦略」、「鶴舞公園の歴史」の3チームがそれぞれ1位となった。歴史文化学科は2014年に設置され、合同発表会の開催は初めて。

 歴史文化学科の必須科目「踏査基礎演習」では、3、4人のグループ毎にテーマを設定し、1年間かけて文献や現地の調査に取り組んできた。「名古屋の航空産業」班は、映画「風立ちぬ」で零戦が取り上げられていることに興味を持ち、現在でも名古屋の航空産業の中枢を担っている三菱重工に注目した。材料である木材や布などが入手しやすい環境が名古屋の航空機生産を支えたと結論付けた。

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村岡学科長から表彰を受ける代表者

 「松坂屋の経営戦略」班は、戦後、女性の採用が百貨店にどのような効果をもたらしたかを検証した。女性に向けたプライベートブランドの開発や女性店員の接客がブランドイメージ向上に結び付いたことを、当時の写真や新聞記事を基に紹介した。

 「鶴舞公園の歴史」班は、開園106年の歴史がありながら、公園の性格や噴水塔などの史跡についての研究がされていない鶴舞公園をテーマにした。班では、文献を調べた結果、産業の展示会などを行う場から、メーデーなど政治運動の舞台として機能を変えていく過程で副産物として史跡が生まれたと考えた。

 他の班のプレゼンでも、文献などの資料や踏査の際に撮った写真を交えながら「空襲を受けていない都市は歴史的建造物があったからという訳ではなかった」「お堀のあった場所に道路の高低差が見られた」などの独自の考察がされたものもあった。

 村岡幹生学科長は基礎演習で培ってきた「締め切りを守る」「ヒアリングした相手に敬意を持つ」などの能力を、本学の建学の精神スポーツ4大綱(ルールを守る、ベストを尽くす、チームワークをつくる、相手に敬意を持つ)となぞらえ、「2年生のこの時期としては、とてもレベルの高い発表で、審査結果も接戦だった。今後は、プレゼンの中身を見極め、見抜く力を付けて行ってほしい」と総括した。

 入賞テーマとメンバーは以下の通り。

12月4日(第1週)
1位 「名古屋の航空産業」野村・蓮尾・服部・早川
2位 「近世尾張の『馬の塔』」高津・高橋・田邊・中野
2位 「尾張織田氏と勝幡城」星野・松永・原田・宮島

12月11日(第2週)
1位 「松坂屋の経営戦略」中林・中東・長埼・長谷川
2位 「名古屋空襲と名古屋城」村木・武藤・村越
3位 「尾張におけるキリシタン弾圧」山崎・吉岡・吉沢

12月18日(第3週)
1位 「鶴舞公園の歴史」永井・永田・服部早・林
2位 「明眼院と地域医療の広がり」田中・谷澤・豊嶋・中原
2位 「『享元絵巻』から見る大須」平嶋・深谷・三井・森下

コメント賞
吉岡幸祐さん

2016/01/14

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