荒牧スポーツ科学部教授、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」に参画 スポーツと脳の関係を解明へ

荒牧先生_1068.jpg   スポーツ科学部の荒牧勇教授=写真左=が、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の研究に参画する。荒牧教授の「脳の健康プログラム」が、山川義徳ImPACTプログラム・マネージャーが進めるプログラム「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」のカテゴリーの一つとして公募採択され、荒牧教授がグループ責任者となる。国立研究開発法人・科学技術振興機構と梅村学園が正式契約した。本学教員がImPACTの研究に参画するのは初めてとなる。

 
荒牧教授の「脳の健康プログラム」は、さまざまなスポーツ、トレーニング、コンディショニングが、脳にどのような影響を与えるかを脳構造や脳機能を計測解析することで明らかにし、脳を鍛える新しいトレーニングやコンディショニングの手法を開発する。
 
海外の研究では、高齢者に有酸素運動をさせると脳の海馬が拡大する、という報告があり、荒牧教授は「私の研究も、運動プログラムが運動機能だけでなく、脳の認知機能、情動機能に好影響を与えることを示すのが目標です」としている。

 
研究費は2019年3月までの全期間で4500万円。2015年度はステージ1として1500万円。高圧ルームと低圧ルームの装置の導入を予定しており、豊田キャンパス15号館の人工知能高等研究所内に年内に設置する。この装置の中で、被験者にトレーニングやコンディショニングをしてもらい、データを集める。
 
今後、中京大学のアスリート向けトレーニング指導組織であるCISP (Chukyo Institute of Sports Performance)や民間企業とも連携しながら研究をすすめる。CISPの最先端トレーニングについては、脳への効果が科学的に検証できれば、将来的には効果の高い動作をピックアップして一般の人に適応したいと考えている。
 
また、山川プログラムでは、2016年度以降のステージ2とステージ3において協力企業からのマッチングファンド形式での研究開発を行うことを必要としていることから、今後各企業にプロジェクトへの参画協力を募ることとしている。

 荒牧教授は、「スポーツと脳の関係はまだわからないことだらけ。運動機能だけでなく、認知や情動にも好影響のあるトレーニングやコンディショニングを提案したい。こうした研究に興味のある学生が大学院に進学してくることも期待している」と話している。

2015/10/19

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