陸上インカレ 十種競技、清水剛士選手が初優勝 男子棒高跳びは逸見俊太選手2位、榎将太選手3位

  陸上の第84回日本学生対校選手権大会(インカレ)最終日の9月13日、会場の大阪市・ヤンマースタジアム長居で、全国の有力大学が上位進出をかけて熱戦を繰り広げた。中京大学陸上競技部は、跳躍、投てき競技で存在感を示した。男子棒高跳び決勝は、逸見俊太選手(スポーツ科4、北稜)が2位、榎将太選手(スポーツ科4、岡崎城西)が3位と、表彰台に2人上った。鈴木康太選手(スポーツ科2、岡崎城西)も5㍍20で5位に入賞した。女子はやり投げ決勝で西山育未選手(スポーツ科4、桜宮)が51㍍52の記録で6位入賞。800㍍決勝は、竹内麻里子選手(スポーツ科4、中京大中京)が2分15秒09で7位となった。
 3日間の総合得点は、中京大学陸上競技部男子が44点(トラック4、フィールド32、混成8)の8位、女子は22.5点(トラック14、フィールド8.5)の13位にとどまった。
(中京大学スポーツ学生スタッフ 佐藤真由、松岡采那)

陸上インカレ13日男子棒高跳び 逸見榎2人表彰ポーズ_7821.jpg男子棒高跳び2位の逸見選手(左)と3位の榎選手。下の写真は5㍍30をクリアした時の2選手(左は逸見選手、右は榎選手)    

陸上インカレ13日男子棒高 逸見選手530クリア_5447.jpg 陸上インカレ13日男子棒高 榎選手530クリア_5461.jpg


陸上インカレ13日棒高跳び 逸見榎記念写真_5534.jpg  男子棒高跳びで2位の逸見選手=写真左=、3位の榎選手=写真右=ともに記録は5㍍30。逸見選手が2回目、榎選手が3回目に成功させた。また、鈴木選手も5㍍20で5位に入賞し、出場した3選手そろって好成績だった。逸見選手は試合前半の助走の調子が悪く、それを立て直す試合運びとなったが、「後半でいつも通りの調子に戻すことができた」と安堵した。初優勝を狙っていた逸見選手は、「2位という結果になって悔しいところもあるが、素直に嬉しいところもある」と語った。

 一方、榎選手は、「前回は2位だったので、順位は落ちてしまった」と悔しい表情も見せた。だが、「記録は自己ベストタイだったので力は出し切れた」と、笑顔で終えられたことに満足感があるよう。卒業後は中京大学の大学院に進むつもりで、競技を続けたいと思っている。

陸上インカレ13日女子やり投げ西山選手6投目_7584.jpg               女子やり投げで6位入賞した西山選手の6投目
 

陸上インカレ13日女子やり投げ 西山選手顔アップ 7832.jpg 女子やり投げで西山育未選手=写真左=は、最後の6投目で51㍍52を投げ、6位入賞を果たした。女子投てきは2日目まで得点がなく、西山選手は女子投てき主任を務めていることから「必死で点数を取りにいかないといけない」と思っていた。予選では自己ベストの52㍍27を出しただけに、競技を終えて「入賞して嬉しいけど、好調だっただけに悔しさもある」という。出身地でのインカレ開催ということもあり、中学、高校時代の友人や先生が応援に駆けつけてくれた。決勝は「緊張もあったけど、友人や大学の仲間の顔を見ながらほぐした」と話していた。


陸上インカレ13日女子800 竹内選手ゴール前_5386.jpg          女子800㍍決勝で、ゴール手前で懸命に走る竹内選手

  「結果で陸上部に貢献したかった。出来なかったけど、レースには悔いはありません」。女子800㍍で7位となった竹内麻里子選手はこう話した。レース後半の
ラスト400㍍は「気持ちと体に差が生まれてしまった」といい、上位争いに加わることができなかった。竹内選手は最後のインカレを終えて、「4年間はあっという間だった」と振り返った。特に今年は女子主将を務め、チームを引っ張る存在だった。卒業までは「中京大陸上部に何か恩返し出来たらしたい」という。今後も競技を続けるつもりだ。

陸上インカレ13日混成部門8点の清水牧選手_7877.jpg 前日の男子十種競技で初優勝した清水剛士選手(情報理工4、近大高専)=写真右=は、13日の閉会式で、男子混成で最高の8得点を一人で稼ぎ、表彰された。
 閉会式後、清水選手は「牧も頑張ってくれたし、チームの皆も応援してくれた」と、一緒に十種競技を戦った牧大智選手(スポーツ科4、米子北)=写真左=やチームメイトに感謝した。「皆で勝ち取った優勝で嬉しいです」。喜びもひとしおのようだった。

 

 

陸上インカレ13日男子走り高跳び210成功3回目 水谷選手_7727.jpg 陸上インカレ13日女子7種8001組1位 平手選手_7782.jpg

写真左は、男子棒高跳びで2㍍10を3回目にクリアした水谷來選手(スポーツ科1、岡崎城西)。写真右は女子七種競技で予選1組を1位で通過した平手佑佳選手(スポーツ科3、名城大付)。


陸上競技部全員集合写真_7874.jpg           閉会式後にスタンドにあいさつした出場選手たち



 【12日の結果】

  陸上の第84回日本学生対校選手権大会(インカレ)2日目の9月12日、大阪市のヤンマースタジアム長居では、トラック、跳躍、投てきの27種目で予選、決勝が行われた。男子十種競技は、2日目の5種目が行われ、初日の5種目を終えた時点でトップだった清水剛士選手(情報理工4、近大高専)は、順調に得点を伸ばしてトップをキープ。最後の1500㍍でも2位となり、総合得点7697点と2位に346点差をつけ初優勝を飾った。
 男子ハンマー投げ決勝で、植松直紀選手(スポーツ科3、久居)が67㍍09の記録で見事2位に輝いた。墨訓煕選手(スポーツ科4、起工業)は63㍍84で6位入賞した。
 4×100㍍リレー決勝は、男子が矢橋寛明選手(スポーツ科1、県岐阜商)、平田勝己選手(スポーツ科3、宮崎工)、丹羽勇揮選手(スポーツ科3、春日井南)、松本優一選手(スポーツ科4、中京大中京)の4人で臨み、39秒64で5位となった。女子は杉山美貴選手(スポーツ科2、中京大中京)、伊達愛美選手(スポーツ科4、洛北)、名倉彩夏選手(スポーツ科3、浜松市立)、丹羽愛利彩選手(スポーツ科2、愛工大名電)の4選手が出場し、45秒85で6位入賞した。
 (中京大学スポーツ学生スタッフ 佐藤真由、松岡采那)

十種優勝で表彰Vサインの清水選手_5240.jpg                  十種競技で初優勝し、表彰台でVサインを掲げる清水選手

表彰された清水選手 縦7473.jpg 十種競技の覇者「キング オブ アスリート」の称号を得た清水選手。ライバルの川崎和也選手(順天堂大学院)が競技初日から棄権をしていたため、「(自分の)記録との戦いだと考えてやっていた。大会新記録を目指していた」と2日間にわたる競技を振り返った。
 走り幅跳びと400㍍の2種目で自己ベスト(7㍍45、48秒.78)を更新した。学生歴代4位となるこの7697点での初優勝にも、「あわよくば8000点を狙っていたし、悔しさがある」と話した。 
 母校の近代高専から先生や後輩が応援に駆けつけた。「大学の仲間をはじめ皆が応援してくれるから力になる。最後の1500㍍は感謝の気持ちを持って走りました」と清水選手。 「東京五輪に出て、大観衆の中で競技したい」と将来を語り、大学卒業後も競技を続けるという。


ゴールする清水選手7355.jpg              十種競技で初優勝した清水選手。最後の1500㍍でも全力を振り絞り、ゴールした

  男子ハンマー投げで2位となった植松選手は、決勝3投目で67m09を記録し、今年4月に出した63m77の自己ベストを約3m半更新した。「投げた瞬間にいったと思った」と、体のタイミングがうまく合った結果だ。植松選手は、昨冬にしっかり練習を重ね、4月から一気に3mも記録が伸びることもあるほど好調だった。「良い動きができて、自分の中では感覚とコンディションがうまく噛み合っていた。この結果が出て満足です」と、初のインカレ入賞に嬉しさがにじみ出ていた。
 一方、6位入賞に終わった墨選手は「悔しさしかないですね」と顔をゆがませた。8月上旬、練習中にぎっくり腰を起こしてしまい、2週間程投てきの練習が出来ず、「あの時は焦りしかなかった」。この日の決勝でも「投げられると思ったが、甘くなかった」と満足のいく投てきができなかった。今後も「競技は続けていきたい」と語った。

男子ハンマー投げ予選植松選手.jpg                  ハンマー投げ2位となった植松選手の投てき
 

竹内選手の顔アップ.jpg 女子800㍍予選に出場した竹内麻里子選手(スポーツ科4、中京大中京)=写真左=は、2分12秒08で2位となり、準決勝進出を決めた。予選を終え、「落ち着いてレースに臨めたし、勝負をかける所でかけることができた」と、ゴール前100㍍付近でスパートをかけるレース運びがうまくいき、してやったりの笑顔を見せた。女子チームの雰囲気も良好だという。「個人それぞれが力を発揮しようという意識が高い。皆が頑張っているから自分も刺激される」と、女子主将の顔ものぞいた。竹内選手はこの日行われた800㍍準決勝2組では、2分12秒81で3位となり、13日の決勝に進んだ。



女子800m予選二位通過する竹内選手.jpgのサムネール画像                    女子800㍍予選で、2位でゴールする竹内麻里子選手(中央)

 2日目の競技を終えた時点での総合得点は、男子、女子ともに8位となっている。寺田健人・男子主将兼短距離主任(スポーツ科4、栄徳)は、「結果を残せないメンバーが多かった。反省点がある」と話した。寺田選手本人は「8月にケガをして以降、練習も満足に出来なかった。ケガも含めて悔しい」と気持ちをあらわにした。今後は10月4日にある住友電光杯に向けて、練習を重ねていく。
 男子4×400㍍リレーは予選1組の4位に終わり、決勝進出できなかったが、初出場の選手の経験になった。1年の野村一輝選手(スポーツ科1、宮崎工)、高松知史選手(スポーツ科1、和歌山北)は特にそうだ。2走をつとめた野村選手は「初めてのインカレで緊張しました」と話し、4走の高松選手は「全国のレベルを痛感した」という。しかし、激しいレース展開についていけたのは大きな収穫である。4年で1走だった山室勇太選手(スポーツ科4、桑名工)は、「(他3選手は)今後の400㍍を引っ張っていく存在になる。ここで全国大会を経験できて良かったと思う」と話した。


男子200予選丹羽選手2位_4654.jpg         男子200㍍予選4組の2位に入った丹羽勇揮選手(手前から2人目の白色ユニフォーム)


女子200予選伊達 4614.jpg               女子200㍍予選2組で力走する伊達愛美選手(左から2人目)

 中京大学陸上競技部は、約300人の部員全員で会場のヤンマースタジアム長居に乗り込み、出場選手をスタンドから応援した。応援のパターンは代々引き継がれてきた5パターンがあり、主に3年生が中心になってリードした。佐藤有沙選手(スポーツ科2、大塚)は「大人数だから、お互いアイコンタクトをしっかりとって応援しています。4年生は最後の大会だし、選手全員が納得のいく試合ができるように思い、応援にも力が入ります」と話していた。
 

スタンド応援アップ_6994.jpg                出場選手の応援に声を振り絞る中京大学陸上競技部の選手たち
 

 


【11日の結果】

 陸上の第84回日本学生対校選手権大会(インカレ)が9月11日、大阪市のヤンマースタジアム長居で開幕した。13日までの3日間にわたり、男子22種目、女子22種目で、記録への挑戦と各校の名誉をかけた熱い戦いが繰り広げられる。中京大学陸上競技部は男女62人の選手が出場する。
(中京大学スポーツ学生スタッフ 佐藤真由、松岡采那)

 初日は、男子円盤投げの湯上剛輝選手(スポーツ科4、守山)が、51㍍40の記録で4位に入賞した。湯上選手は予選2投目で50㍍84を投げて決勝に進出。決勝の3投目に50㍍95とわずかに予選の記録を上回り、5投目に51㍍40を記録した。男子ハンマー投げの植松直紀選手(スポーツ科3、久居)と墨訓煕選手(スポーツ科4、起工業)は12日の決勝に進出した。男子十種競技に出場した清水剛士選手(情報理工4、近大高専)は1日目の5種目(100㍍、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400㍍)を終え、4053点でトップに立っている。

名倉選手 3879.jpg また、女子400㍍決勝に進出した名倉彩夏選手(スポーツ科3、浜松市立)=写真左=は、54秒59の記録で5位に入賞した。名倉選手は大会前、「今年は調子が良く、表彰台に上りたい」と話していたが、自己ベスト(54秒24)にはわずかに届かなかった。
 女子の1万㍍競歩決勝では、丸山莉紗子選手(スポーツ科4、長岡商業)が47分57秒21で4位に入賞した。女子棒高跳びで、間宮里菜選手(スポーツ科3、県立岐阜商)が3㍍70で5位に入賞した。女子走り高跳びは、宗包麻理菜選手(スポーツ科2、西京)が1㍍70で7位に入った。
 
 

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湯上選手顔アップ_3904.jpg  男子円盤投げの湯上選手(スポーツ科4、守山)=写真左=は、絶好の調子でインカレを迎えた。6月の西日本インカレでは2位に入ったが、記録は47㍍86と低調だった。「他大学の選手からも心配されるほどのスランプに悩んでいた。焦りはあったが、仲間と励まし合い、徹底して練習を積み重ねることで乗り越えた」と湯上選手。
 
8月末にあった近畿の競技会で、今季ベストの53㍍66を記録したが、「良い投げではなかった。まだまだ伸ばせる」と思った。学生生活最後となる今大会は、「結果より大会自体を楽しみたい。そうすれば結果はついてくると思う」と語っていた。結果は4位だったが、全力で円盤を投じた。大学卒業後も実業団に所属し、競技を続けるつもりだ。



2015/09/14

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