COP10先住民族準備会合に法学部が共催

 10月15日から17日までの3日間、名古屋キャンパスアネックスホール(16号館)で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)先住民族準備会合が開催された。本会合は国連の資金的援助の下に運営されており、世界各地から生物多様性条約COP10に参加するために来日した約80名の先住民族が、生物多様性条約COP10で先住民族達が統一的な戦略をとるための話し合いをおこなった。

 先進国の製薬会社が新薬を開発するにあたって、先住民族達の薬草に関する知識を応用することをおこなってきたが、開発成果の利益は製薬会社が独占するのが一般的であった。生物多様性条約第8条j項は、生物多様性の利用がもたらす利益の先住民族との衡平な配分を奨励しており、生物多様性条約COP10では利益配分を義務化する名古屋議定書の採択が議題となっている。当会合で採択された文書に基づいて、先住民族代表達は生物多様性条約COP10で名古屋議定書の採択を目指す。

 先住民族の権利に関する研究(2007年から2010年、科学研究費補助金)をおこなってきた小坂田裕子法学部准教授を通じて、市民外交センターから当会合開催の依頼を受け、研究及び教育上の重要性に鑑み、中京大学法学部は共催をすることを決定した。当会合の運営には、法学部学生の他、小山佳枝総合政策学部准教授のゼミ生も参加しており、通常では見ることのできない国際会議における条約制定の過程を裏から支え、教科書に基づく授業では味わうことのできない、生きた法律を体感するという貴重な機会を得た。
 また本会議を契機として、利益配分の問題を国際人権法と国際環境法の両側面から考察するという小坂田准教授と小山准教授による共同研究の企画等も進行している。

(法学部)




2010/10/18

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