演劇部劇団いかづちの師走公演「明けましてクソスマス」
役者一人ひとりが自分自身と向かい合いながら芝居を作る


いかづち師走公演 いかづち師走公演

 


 今回の公演は我々3回生の最後の公演でした。その公演で演出を務めさせて頂けたことを、大変光栄に思っております。第45代の10名で作り上げた今回の公演は計158名のお客様に観て頂くことができました。

いかづち師走公演

 『明けましてクソスマス』は、対照的で、しかしどこか共通点のある女性2人の物語です。特に主人公の優子の演技指導には力を入れました。「静」の演技にもこだわり、目線、呼吸、動きの速さなど、役者自身にも研究させながら、納得のいくまで練習に励みました。さらに、動作と台詞を合わせ、抽象表現をするシーンも取り入れました。練習場の扉に映る自分たちの姿を見ながら、何度も役者たちが合わせ、納得のいくものを作っていた姿が印象的でした。ここまででは、演出の意向に従った芝居のように思われてしまうかもしれませんが、実はそうではありません。こだわりたいところは隅々まで指導しますが、役者に自由にイメージさせるシーンは、存分に自由に演じてもらいました。インスピレーションを働かせ、自由に表現すると、台本をより生き生きとさせてくれる芝居ができます。役者がユニークな表現をし「それ、採用!」と、私も関心しながら作ったシーンがあり、お客様にも受け入れて頂けたのか、そのようなシーンのときは会場が笑いでいっぱいになりました。

 今回台本を書き、演出を務めたわたしは以上のようなこだわりを持って、師走公演を創っていきました。しかし、毎回私のような演出の芝居を打つわけではありません。演劇部劇団いかづちでは、公演ごとに演出が変わります。演出になった人によって芝居に対する考え方や、物語のジャンル、舞台装置、音響照明効果などさまざまです。今回は、舞台装置に段ボールを用いたり、BGMを少なくするなど工夫し、役者が映えるような舞台にしました。しかし、他の公演では、2階部分を作る舞台があったり、SE(効果音)を多く使って臨場感あふれる舞台があったりと様々です。演出によって、また、役者によって、毎回違う色の公演を作りお客様に披露することができます。

いかづち師走公演

 今回は短い時間で集中した方がいいものを作れる!ということで、練習時間を普段より1時間短くしました。一日の練習時間が今までと違い早く過ぎたため、最初こそ抵抗がありましたが、慣れてくると緊張感が生まれて来、集中して練習に励むことができました。限られた練習時間の中で、自由に創作する時間を増やしたため、役者が自分の苦手なところを反復練習することができたと思います。役者一人ひとりが自分自身と向かい合いながら、芝居を作ることができたのではないかと思います。

 団員が一丸となって作り上げてきた舞台で、お客様にメッセージを伝えることができたと、とても嬉しく思いました。

 (作・演出、心理3 石榑 彩乃)

◆演劇部劇団いかづちhttp://ikajin.web.fc2.com/
  ※師走講演の軌跡が掲載されています。

 

いかづち師走公演
公演終了後に記念撮影

2011/12/19

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