四日市南高校との産高大連携講義 井村屋株式会社への「提案発表会」を開催

 昨年12月にスタートした、井村屋株式会社、三重県立四日市南高等学校、中京大学総合政策学部・坂田隆文教授ゼミの3者で進める産高大連携講義の最終回「提案発表会」が3月12日に行われた。

 本講義は高大連携教育の一環。井村屋のご協力のもと、四日市南高校の生徒と坂田隆文研究室の学生が共同で商品企画を行い、井村屋に提案発表するのを目的にしている。昨年12月にスタートし、3回の講義とグループワークなどで企画を練り上げた。この日は、井村屋の中道裕久取締役兼上席執行役員を招き、名古屋キャンパス清明ホールで3チームが商品提案した。

 冒頭、坂田教授が挨拶と趣旨説明を行い、「この4か月が、高校生、大学生にとって大きな学びの場となれば」と話した。四日市南高校の鈴木達哉校長は「この探究活動は、高校として行っている『ホンモノ体験』の一環として行ってきました。大学生とだけでなく、1年から3年の生徒が混合してチームを組んでいます。生徒がいろんな体験を通して、成長したことを実感でき良い取り組みでした」と挨拶した。

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高校生メインに行った商品企画のプレゼン

 発表した3チームはいずれも、アイスの商品企画を提案した。

 1チーム目は、"三重県の高校生による女子高生のためのアイス"をコンセプトに「抹茶アイス」を提案。2チーム目は、井村屋のアイスの中でポジショニングを行い、女子高生ターゲットに斬新な触感のアイスを提案した。また、3チーム目は、「知覚過敏」の人が多いことに着目し、知覚過敏になりにくい一口アイスの企画を発表した。

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中道取締役の講評

 中道取締役は各チーム、発想の面白さや着眼点のユニークさを褒めたたえ、競合商品との差別化や説得力のあるデータを用いたプレゼンなどより良くするアドバイスを述べた。

 また、優秀グループに輝いた3チーム目が中道取締役から表彰された。「発表態度、着眼点、論理性、他との差別化、アイデアなどの総合評価で決めました」と優秀グループを称えた。

 坂田教授の講評では、高校生に向けて「自分なりの課題を見つけ、成功する糧にしてほしい」「目の前にあるものの背景を想像してほしい」「『もっとできなかったか』と欲張り、目標を高く設定することが成長につながる」と4か月の活動を通して得た学びを今後に生かすようアドバイスした。

 最後に、安村仁志・中京大学学長から高校生に修了証が授与された。安村学長は「今回の発表では『らしさ』が出ており、高校生の初々しさや、大学生がサポートする様子も見られました。それぞれの段階でステップアップしていくことを感じられ、素晴らしかった」と述べた。

 

【産高大連携講義を終えて】

■ 今までにない着眼点

 私たちのチームは「知覚過敏の人でも食べられるアイス」をコンセプトにし、一口アイスの提案を進めてきました。前回、井村屋の方に一口アイスはコストの面で難しいという指摘をいただき、提案を変更せざるを得ない状況になりました。しかし、高校生の皆がコストを下げる案を必死に考え、知覚過敏の人が困っていることや現状を調査し、足りない点は私がサポートをし、最終発表に挑みました。

 提案の深掘りができておらず完成度は低かったものの、今までにない着眼点で考えられたアイスということで、井村屋の方に評価をいただき、優秀賞をいただくことができました。結果発表の後、チームの高校生の笑顔がとても素敵で、一緒に頑張ってきて良かったと心から思いました。また、高校生と取り組むことで、自分自身の高校時代も振り返る良いきっかけになり、今後の就職活動や社会人になる上で、本当にためになる機会であると実感しました。

                  (総合政策学部3年 齊藤梨沙)

■ 大学生という立場

 私にとって初めての「産高大連携」という取り組みでは、多くの刺激を受けました。企業の方と高校生たちとの間に挟まれ取り組む大学生の役割というものがどういうものなのかを、常に沢山考えさせられました。今まで考えたことのないことばかりで戸惑いもありました。また、自分たちが考えた案を相手にどれだけ正確に伝えられるかが重要だということを今回の発表会で改めて痛感しました。

 今までのゼミ活動ではひと回りもふた回りも歳上の方々と関わらせて頂く機会が多かったのですが、今回は歳下の方々とも関わることができ貴重な経験となりました。

 もっと多くの経験をして自分のスキルアップに繋げていきたいです。

                       (総合政策学部2年 羽田桃子)

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優秀グループのメンバー 安村学長による修了書授与

※ 坂田隆文ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)もご覧下さい。

2017/03/17

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