法学部ゼミ対抗プレゼン大会(研究報告部門)初開催 5ゼミ10チームが参加

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アネックスホールで行われたプレゼン大会

 法学部のゼミがプレゼンテーションを作成し発表する「法学部ゼミ対抗プレゼン大会:研究報告部門」が2016年12月21日に中京大学アネックスホールで開催されました。昨年度まで3年にわたって行われていた法学部ゼミ対抗プレゼン大会から、研究報告部門とパフォーマンス部門の2つに分かれ開催されることになった本年度は、法学部のゼミの中から10チームが参加をしました。各ゼミ1年間励んで来た研究活動の集大成ともいうべきプレゼンテーションを行い、それぞれ、ゼミが専門とする分野が色濃く反映された発表内容でした。

 個別に与那国島自衛隊基地新設問題、日本の有人国境離島政策、日本の海上警察活動、日本のホームグロウン・テロを考察した古川浩司教授ゼミ4年生の各チーム、ゆとり教育が終わった原因を政治過程論から論じた京俊介准教授ゼミチーム、同じくゆとり教育により犯罪率が減少したと論じた愛知正博教授ゼミチームのように世相を反映した内容に加え、アウシュビッツ裁判を分析した檜山幸夫教授ゼミ、ナショナリズムとグローバリズムが対立しあうかを検討した鈴木ゼミ、長野オリンピックの文章管理をもとに2020年の東京オリンピックに向けた問題点をあげた東山ゼミなど、多種多様な発表が行われました。これらの発表に対し、聴衆からは時には厳しい質問も飛び出すこともありましたが、非常に内容の濃い大会となりました。

 教員による審査の結果、記念すべき第1回研究報告部門の最優秀賞には「日本の難民認定制度における課題」の発表を行った古川ゼミ3年生チームが選ばれ、優勝トロフィーが手渡されました。

 今回入賞できたチームもそうでなかったチームも、今回の発表で得られた経験や意見をしっかり分析し、今後の研究に取り組んでいくことを期待します。

 研究報告部門としての第1回目となった今回、各ゼミの学生代表者によって構成される幹事会には、何もノウハウがない中での運営で、全てを1から作り上げていくことが求められていました。幹事会でも様々な難しい意見のすり合わせや調整に追われましたが、記念すべき第1回研究報告部門を成功させたいと各幹事の積極的な協力もあり、結果として多くの方に発表を見てもらうことができました。また何より、開催準備や当日の各チームの審査にご協力いただいた先生方や各ゼミの皆さんには、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 今後も、この研究報告部門が法学部の伝統行事として発展し、法学部生にとって学習の集大成を披露する場として大切にされる大会となることを期待しています。

(法学部ゼミ対抗プレゼン大会研究報告部門幹事長・古川ゼミ4年 星惣平)

最優秀賞 古川ゼミ3年生チーム「日本の難民認定制度の課題」

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 私が所属する古川ゼミは、国際関係論を研究するゼミです。今回のプレゼン大会では「日本の難民認定制度の課題」というテーマで発表し、最優秀賞を頂きました。

 今回の発表に向けて、中東での情勢悪化を機に難民問題が世界的な問題となったことを背景に、日本での難民政策の歴史や認定制度を考察し、日本としてこれから難民に対してどのような認定制度を構築していくべきかを研究しました。その結果、偽装難民の急増が認定行政の負担になり、真の難民庇護への弊害となっていることを問題視し、偽装難民への対策と難民認定体制の強化を提言しました。

 なお、今回のプレゼン大会に先駆けて12月4日に本学清明ホールで開催された名古屋国際関係合同ゼミナールでは偽装難民対策としてとして"偽装難民の事前振り分け""生計維持が可能な者は在留を許可しても就労は許可しない""正当な理由なく再三にわたって申請する者は手続きを続行しても在留は許可しない"と提言すると同時に、真の難民を庇護するために"難民調査官の研修の充実""出身国情報分析を専門とする職員の配置""認定に立ち会う通訳人の充実"という提言もしました。ところが、名古屋国際関係合同ゼミナールでの質疑応答も踏まえて研究を進めていく中で提言した偽装難民への対策が既に行われていることが分かりました。そこで、プレゼン大会では提言内容に刑罰規定を新設するといった変更を行いました。

 約半年間に渡る研究そして2回の大きなプレゼンの場を経て、自分達の研究を伝える難しさを痛感しました。この経験を4年生での論文作成、そして社会人になってからも活かしていきたいです。

(古川ゼミ3年代表 北川太陽)

2017/02/02

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