体育学研究科の大学院生2人が野球関係者のネットワーク広げる
日本野球科学研究会の実行委員として情報発信や環境づくり

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台湾からの参加者のポスター発表

 2015年12月12日、13日の2日間にわたり、中京大学名古屋キャンパス1号館清明ホールや学生ラウンジを主会場として、日本野球科学研究会第3回大会が開催されました。「野球関係者のネットワークを広げよう」を大会テーマとし、当日は野球研究者だけでなく、現場の指導者、医師、トレーナー、栄養士、協賛企業の方々など、約170人が全国各地および海外から集まり、シンポジウム、講演、一般研究発表が行われました。

 日本野球科学研究会は、野球に関する研究を促進すること、野球に関わる人々の交流を深めること、そして現場の指導者と研究者が情報を共有することを目的として設立されました。その第3回大会を本学で開催することとなり、スポーツ科学部の桜井伸二教授、体育学研究科の豊嶋陵司助手、大学院博士課程2年生の堀内元さん、そして私の4人が大会実行委員となって、事前準備から当日の運営まで行いました。事前準備では、大会要項の作成、シンポジスト・講演者の依頼、参加者・一般発表者・協賛企業の募集、大会プログラムの作成、会場準備などを行いました。また、当日は多くの体育学研究科の大学院生やスポーツ科学部の学生などが受付、会場案内、会場運営などに協力してくれました。

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中京大学大学院生スタッフ

 本大会を開催するにあたり、私は、「野球関係者のネットワークを広げよう」という大会テーマを達成することに強いこだわりを持って運営に取り組みました。これまで、野球界ではプロ選手とアマチュア選手が交流することを認めないプロアマ規定に象徴されるように、野球関係者同士の繋がりは希薄でした。近年、その規定は緩和されつつあるものの、他のスポーツに比べると関係の薄さは否めません。私自身、野球のバッティングに関するバイオメカニクス研究を始め2年が経ちますが、研究者と現場の指導者の間にも、まだまだ高い壁があるように感じています。

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昼食を共にとりながらディスカッション

 そこで、本大会を通じ、参加者に少しでも野球関係者のネットワークを広げてもらいたいと思い、参加者の募集や参加者同士が交流できる環境づくりには特に力を入れました。まず、研究者のみならず野球に関わる多くの方々に参加していただくために、口コミでの周知や大会ホームページに大会情報を掲載することに加え、Facebookページを開設し、大会について積極的に情報を発信しました。また、大会当日は、シンポジウムや講演の合間にコーヒーブレイクの時間を長くとり、初日の夜の懇親会や2日目の昼食も大会参加費に含まれるものとして、参加者間の交流を促しました。その甲斐あって、多くの参加者が大会期間を通じて会場の各所で活発に議論する様子が伺え、非常に有意義な大会になったと自負することができました。

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シンポジウムでは高校野球の将来について議論された

 これまで学会や研究会に参加したことはありましたが、このように運営をすることは私にとって初めての経験でした。この大会を通じて、運営の大変さを痛感させられると同時に、多くの方々に支えられて成り立っていることも改めて実感できました。また、私自身も、現場の指導者やトレーナー、医師、栄養士など、普段の研究活動ではあまりお会いすることのない方々とお話しでき、自分の視野を広げるとても良い機会となりました。今回得られた知識や経験を今後の研究活動の糧とし、また来年もこの研究会でより良い議論ができるよう日々精進していきたいと思います。

(体育学研究科修士課程2年 中島 大貴)

2016/01/08

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