経営学部中村雅章ゼミが有松絞りの「まり木綿」とポーチを共同開発
「結晶」「甘夏」「輝彩(きさい)」のポップでカラフルな3種類を販売

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星が丘テラスのイベントでポーチを販売する中村ゼミ生

 

 私たち経営学部中村ゼミは、名古屋市緑区の名鉄有松駅から徒歩2分の所にある有松絞りのお店「まり木綿」と、多用途に使用できるポーチを共同開発し、販売させていただいております。私たちは地域活性化を目指すゼミの一環として、「有松絞りを身近なものにする」という目標を持って活動をしています。有松絞りは400年の歴史ある名古屋の伝統工芸品であるにも関わらず、人々の関心が低く、あまり注目されていないと感じたからです。京都や東京の工芸品と比較しても存在感がないと思いました。このことから、地元の素晴らしい伝統と魅力を伝えていきたい、日常の生活に有松絞りを取り入れてほしいと思い、板締め絞りという、伝統的な絞り染めとは趣が異なるポップでカラフルな染めを特徴とする「まり木綿」との企画を進めさせていただくこととなりました。

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 2014年12月にプロジェクトは始まり、様々な商品提案をさせていただきました。約200個のアイデアを提案しましたが、まり木綿では既に多くの商品を取り揃えており、新しい商品を生み出すことは困難なことのようにさえ感じました。しかし、打ち合わせを重ねるごとに方向性が定まっていき、商品をアクセサリー、ポーチ、手鏡に絞り込み、まり木綿のご意見も踏まえ、最終的にポーチに決定することができました。メインターゲットとした若い女性だけでなく、どんな年齢層の女性であってもポーチは必須アイテムであり、需要があると考えたからです。

 生地となる布は実際に私たち学生が染めたものを使用しています。しかし、染まり具合にムラができてしまったり、思い通りの柄が出せなかったりと、想像以上の難しさも体験しました。一つひとつ柄が違うという点は手作りならではの良さではありますが、一定の品質を保つことの困難さを肌で感じた経験でもありました。

 ゼミ生が染めたオリジナルの柄から5つを選び、ようやくポーチのデザインが決定しました。ポーチは全3種類、それぞれ「結晶」「甘夏」「輝彩(きさい)」という名前がついており、3種3様の個性が出ています。ポーチとしてだけではなく、バッグやペンケースとしても使用していただけるように、大きさはもちろん、マチの広さや留め具の位置など子細に検討を重ね、こだわりがたくさん詰まっています。和装だけでなく、洋装とも相性抜群。素敵なポーチを仕上げることができました。

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結晶 甘夏 輝彩(きさい)

 

 6月6日(土)、7日(日)に開催された「第31回有松絞りまつり2015」と9月26日(土)、27日(日)に2日間限定で開催した星が丘テラスでのイベントにおいて、コラボポーチの販売を行いました。

 有松絞り祭りでは多くの来場者で普段の何倍もの活気があり、お祭り独特の華やいだ雰囲気の中、私たちもまり木綿の店内で楽しく接客させていただきました。嬉しい誤算ではありましたが、「結晶」が初日に完売となってしまい、機会損失を起こしてしまったことが反省点です。しかし、それと同時に、多くのお客様が自分たちの商品を気に入ってくださったのだという達成感も味わうことができました。

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星が丘テラスイベントチラシ※クリックで大きくなります

 星が丘テラスでのイベントでは、事前に配布したビラを持参してくださったり、「このイベントを目的に星が丘に来たのよ」と言ってくださる方もいて、胸が熱くなる思いでした。通行中の多くのお客様にも興味を持っていただき、少しでも有松絞りの魅力を伝えられたのではないかと思います。このイベントは、会場の準備から接客に至るまで全てを学生のみで運営した初めてのイベントだったので、開始直後は緊張感もありましたが、天気とお客様に恵まれ、2日間とも終始和やかなムードに包まれたイベントとなりました。また、コラボポーチだけでなく、ポーチと同じ柄の手ぬぐいも新製品として販売し、それらの使い方も私たち学生がモデルになって写真を掲示したり、ワークショップを開催したりして伝えました。

 2回の販売で共通していたことは、お客様の生の声を聴かせていただくという貴重な機会となったことです。とりわけ、自分たちで染めたポーチや手ぬぐいを見て、「可愛い」「きれいだね」と言っていただいた時は、本当にうれしかったです。購入していただいたお客様の中には、「大事にするね」と言ってくださったり、大切な方への贈り物としてポーチを選んでいただいた方もいらっしゃり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

開発メンバー
3年 阿部明日香、川本恭子(リーダー)、小久保孝之、佐藤彰哉、竹岸絵里奈、中村理絵(副リーダー)、原田沙英、山口紋奈、2年 浅野真菜、近藤夏美、高井晴菜、吉田紅音

(経営学部中村ゼミ3年 中村理絵)

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学生がモデルとなり 使い方を提案


まり木綿ホームページ

2015/10/09

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