文学部歴史文化学科の30人が前方後円墳の発掘見学会に参加
1500年前の出土品に触れ、史跡の保護や活用考える機会に

 7月31日、歴史文化学科学生約30人が、歴史文化学科客員教授の都築暢也先生に引率されて、愛知県豊川市の国府駅近くに立地する船山1号墳の発掘見学会「前方後円墳の上に立ってみよう」を行いました。船山1号墳は現在豊川市教育委員会によって発掘が進められています。今回の見学会も同委員会のご好意で開催することができ、当日は発掘担当の天野雄矢さんから説明を受けました。

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 船山1号墳は、三河地方最大級の前方後円墳です。発掘調査の結果、当時古墳を覆うように積まれた葺石(ふきいし)や埴輪列が良好な状態で残っていることが明らかになりました。今回の見学では、葺石の積み方や円筒埴輪の並べ方に規則性があることや、古墳の立地や大きさ、形状などが、当時のこの場所の支配層の権力を表していること、さらに畿内の王権との関わりを考えることが可能であるといった、実際に発掘に携わらないと知ることが難しい内容について詳しい説明をしていただきました。また、出土品を手に触れて観察することができ、今触っているものが1500年前に作られたものだということに学生みんなが感動していました。

 今回の船山1号墳の発掘は、歩道拡幅のために行われ、前方部の一部が削られてしまうために実施しているそうです。しかし、天野さんは、古墳全体が史跡公園として整備されるので、地域の方々に古墳をもっと知ってもらえる良い機会になるとおっしゃっていました。

 今回の巡見は、発掘中の前方後円墳を見るだけでなく、現場で実際に発掘に携わっている方から様々な説明を受けることができました。実際に古墳を見学し、教えていただいたこと、感じたことを、今後の授業や卒業論文に活かしていきたく思います。また、発掘されている方々が、史跡の保護や、活用について意識されている姿をみて、歴史を学ぶ学生である私たちもこうしたことについて考えていかなければならないと感じました。

(文学部歴史文化学科2年 磯崎 諭)

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2015/09/15

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