経営学部2年の清水彩さんが「地域仕事づくりチャレンジ大賞」優秀賞
インターンシップで在庫管理を担当 誤出荷を30%削減

 経営学部2年清水彩さん

 

 NPO法人「G-net」がコーディネートした長期実践型インターンシップの事例を全国規模の地域仕事づくりチャレンジ大賞2013で東海代表としてプレゼンし、優秀賞を受賞しました。地域仕事づくりチャレンジ大賞には全国の約250の事例の中から全国9ブロックの代表が出場しました。

 C-netのインターンシップは通常の就職活動の一環として行うものとは違い、高い志を持つかっこいい経営者のもとに半年間弟子入りという形で、一緒にプロジェクトにとりくませていただくというものです。受け入れ企業は愛知、岐阜、三重の中から厳選された面白い取り組みをしている中小企業です。

 プレゼンテーションでは自分のインターンシップでの取り組みやその成果、自分がどのように成長したか、そして会社がインターン生の働きによってどんな影響を受けたのかについて発表しました。

 インターンシップで取り組んだことは、
① 会社の基幹システムをクラウド化する中で在庫商品とシステムをつなぐ業務(在庫場所番号をペンキで500か所以上表記、1000種類以上の商品画像の撮影)
② 太陽光を反射する「白い瓦」を活用したシンプルなエコハウスを提案する「オセロプロジェクト」の推進役(日本の家の約6割を手掛ける地域工務店への家づくりの提案)
です。

 私は高校生の時に「就職氷河期」という言葉を知り、将来のことに漠然とした不安がありました。机に向かっている時間は長くても不安が募るばかりで勉強には集中できず、大学に入学してからも「周りからすごいって言われたい、認められたい、ほめられたい」そんな気持ちで資格講座を受けたり、TOEICの勉強をしたり、ボランティアをしてみたり、部活に入ったりしてみました。結局、「今の自分を変えたい、成長したい」という思いばかりで、取り組んでいるもの自体には興味を持てず、全部やめてしまいました。そんな中、高校の時の先輩の紹介でG-netのインターンシップを知り、自分の成長のためにインターンシップをすることに決めました。

 しかし、実際に与えられた仕事はペンキで文字を書くことと瓦に写真を撮ることだけでした。大きなことを成し遂げられるのでは、というイメージのギャップもあり、冬場の屋外の作業は心身ともに辛かったです。

 社員さんたちは優しい人たちばかりで自分にとてもよくしてくださるけれど、私はこの人たちのために何ができているのか、何のためにインターンシップをしているのかと考えたときに自己嫌悪に陥りました。

 そんな中上司の方から「傍を楽にすることが働くということ」という言葉とわたしの仕事の重要性について改めて教えていただきました。

 私の仕事は、在庫管理をするためのシステムと実際の在庫置き場をスムーズにつなげるための仕事でした。システム上では「置き場のA4というところに21003-56という商品番号の商品が300枚置いてある」と表示されているはずなのに、置き場にA4という表示がなかったり、受注を担当している人は商品番号と商品の見た目が一致していないので、誤出荷が起こりやすく、また、出荷されて減った枚数がリアルタイムでシステムに反映されないため、欠品していてすぐ出荷できないのに、お客さんと注文のやりとりをしてしまう、などということがありました。そこで私は、置き場(車の駐車場のような感じです)にペンキで置き場番号を500か所以上、商品番号と照らし合わせるための商品の写真撮影を1000枚以上、さらにその写真を編集してシステムに入力しました。

 一括してする方法はなかったので1000回同じ作業を繰り返しました。その結果、誤出荷が30%減少しました。

 私の仕事は社員さんたちの仕事を楽にするための仕事で誰にでもできる仕事だけれど、それはコツコツの積み重ねが必要な、今まで誰もやってこられなかった仕事なのだとわかってから自分の仕事に誇りが持てるようになりました。

 仕事をやり遂げ、インターンシップが終了したときに社員さんたちから私の姿が励みになったなど、とてもうれしい言葉をいただきました。

 インターンシップをする前としている途中は、大きな成果を残して周りから認められる褒められることにこそ価値があり、仕事はそのための手段だと思っていました。仕事は一人でこなすものだ、とも思っていました。「売上を伸ばした」「新商品を開発した」「イベントを立ち上げた」「新規顧客の開拓」このようなわかりやすい華やかな功績を残すことにあこがれていました。しかし私のしていた仕事は誰にでもできる簡単な作業ばかりで、お客さんとも、取引先とも接することのない、表にはなかなか出てこないような仕事でした。それに不満を感じていましたが、業務改善というのは会社が売り上げを伸ばすため、新しいことに挑戦していくため、に必要不可欠な土台作りであって、確かに誰にでもできる仕事だけれど、それこそが重要なのだとインターンシップの仕事を通じて教えていただきました。私が頑張れば、一緒に働く人が少しでも楽に仕事ができるようになる。それが自分にとっての一番モチベーションを上げる材料になりました。誰かのために仕事をするということをインターンシップのみで終わらせたくないと思いました。

 私はインターンシップの期間が終了した後も、師匠の野望である、「白い瓦」を使った家づくりのプロジェクトの推進役をすることを決意しました。今はホームページ作成のお手伝いや打ち合わせに参加しています。


 経営者の方や社員さんたち、また自分と同じように別の企業でインターンシップをしている同期の学生たちなど普通に学生生活をしているだけでは絶対に会うことのできなかった人たちと信頼関係を気づくことができたことが、インターンシップで得た何よりの財産だと思います。

 プレゼン大会をきっかけに自分のインターンシップを振り返ることができ、その関係の大切さや、自分の気づきが自分にどれだけ大きな変化をもたらしたのかということを改めて自分の中に落とし込むきっかけになりました。

 プレゼンを聞いてくださった人たちにも何か小さなきっかけを与えられたかもしれないと考えると、よりたくさんの人に希望を与えられるような人になりたいと強く思うようになりました。


(経営学部2年 清水彩)

2014/02/13

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