国際教養学部の2年生が留学先5カ国での研究成果を発表
1、2年次学習の集大成として考えや体験伝える

酒井未紗さん

 2月3日に海外課題研究報告会が行われ、国際教養学部2年生の各言語から2人ずつ選ばれた、合計10人の代表者が、「海外課題研究」による留学で行った研究の成果を披露した。郡伸哉学部長は「1年生の皆さんは、2年生が留学でどんな事を考え、体験してきたか、非常に大きく変身した姿を感じてほしい」とあいさつ。来年、同様の留学を予定している1年生や同級生ら147人が発表を熱心に聞き入った。今年は76人が2013年8月―2014年1月に、それぞれが専攻する第二外国語に基づいてドイツ(デュッセルドルフ大)、フランス(レンヌ第二大)、スペイン(パブロ・デ・オラビデ大)、ロシア(サンクト・ペテルブルグ大)、中国(上海大、蘇州大)の5カ国に留学した。

 「海外課題研究」は、2年次の秋学期に、1セメスター(1学期間)にわたり語学留学を行う演習科目。現地で知り合った学生やホストファミリーにアンケートを取ったり、調査対象となる劇場や店舗に足を運ぶなどして、それぞれが関心や疑問を抱いたテーマの研究を行いながら、提携先大学の語学研修プログラムを受ける。留学の効果を高めるため、2年次の春学期に、留学先の情報収集や語学の学習計画などを計画書として作成。さらに帰国後、研究結果に加えて語学上の観察や語学力の自己評価などについて報告書の提出を必須としている。

梶みちるさん

 報告会に出席した国際教養学部の教員25人による投票で、酒井未紗さん(中国)が1位となった。酒井さんは、中国では犬や猫を食用としているが、彼らがペットになりうるのか、留学先の大学生へのアンケートやペットショップに赴いて調べた。野良や放し飼いといったペットに対する責任感や、環境改善を課題に挙げるとともに、ペットを飼う人の多くが犬や猫を食べるべきではない、と文化排除しつつあることを発表した。

 また、同率2位に、スペインの女性の象徴と考えたカルメンについて調べる中で、新たな疑問点を見つけたため研究を続けたいとした荻原里菜さん、福島の事故でフランスの原発に対する意識の変化を調査し、フランスの原発対策について参考にできる部分もあるのではと提言を行った梶みちるさん、ドイツの劇場で知り合った人にも積極的に質問して文化の認識の違いを検証した境谷優花さんの3人が選ばれた。

 

■発表者と研究テーマ(発表順)
 「オペラ『カルメン』から見る18世紀から19世紀の女性とヒロイン”カルメン”の比較」萩原里菜(スペイン)
 「フランスの原発事情と福島原発事故」梶みちる(フランス)
 「ドイツ演劇事情」境谷優花(ドイツ)
 「アンダルシアへの観光」中村紗枝子(スペイン)
 「中国におけるペット事情」酒井未紗(中国)
 「カトリックの家族」阪野祥子(フランス)
 「ロシア人とロック音楽」谷口智也(ロシア)
 「ドイツの若者ファッション」谷腰杏実(ドイツ)
 「中華麺の魅力」西脇佑実(中国)
 「建築物におけるイスラム教とキリスト教の融合」横井未優(ロシア)

 

荻原里菜さん 境谷優花さん

 

2014/02/07

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