戸田英治さん(情報科学研究科修士2年)が電気関係学会「東海支部連合大会奨励賞」
発表タイトルは「FPGAによる高速ユークリッド距離変換回路の実現」

受賞した戸田英治さん

 電気関係学会東海支部連合大会(9月24・25日、豊橋技術科学大学)で研究発表を行った戸田英治さん(情報科学研究科情報科学専攻博士前期課程2年、磯研究室)が、「連合大会奨励賞」を受賞し、1月22日に表彰されました。発表タイトルは「FPGAによる高速ユークリッド距離変換回路の実現」。

 同賞は、電気・電子・情報工学に関連した研究に従事する若手研究者を育成する目的で設定された賞で、649件の中で特に優れた発表を行った学生に対して授与されました。


■研究発表「FPGAによる高速ユークリッド距離変換回路の実現」
 戸田英治さん(情報科学研究科情報科学専攻博士前期課程2年)

FPGA
FPGA

 発表した研究内容は、FPGA による高速ユークリッド距離変換回路の実現に関するものです。画像処理の分野において、2 値画像に対するユークリッド距離変換は基本的な処理の一つです。距離変換を行うことで,ノイズの除去や対象物の特徴抽出を行うことができます。
 シストリックアレイを用いたユークリッド距離変換アルゴリズムをFPGA で実現し、理論通り動作することを確認しました。また、回路規模を抑えて実現できることを確認しました。
 この研究を行うにあたって苦労した点は二つあります。一つは、回路の実現を行う際に、どのようなハードウェア構成にすると回路規模を抑えることができるかの検討です。もう一つは、回路シミュレーションにおいて,正しくユークリッド距離変換できていない原因を特定するためにシミュレーション波形を一つずつ確認した作業です。特にシミュレーション波形の確認は、どの回路がどのタイミングで原因となる動作をしているかを波形一つ一つを目で追いながら特定する必要があり、特定までに時間が必要でした。しかし、特定できた際の嬉しさは今でも忘れられません。

 

高速ユークリッド距離変換回路
高速ユークリッド距離変換回路


■指導教員の磯直行教授のコメント
 
「ソフトウェア的に考えられたアルゴリズムを実際にモノとして使えるようにハードウェアで実現するには様々な工夫が必要で、今回実際にLSIとして実現し動作させたことはすばらしく、これから多方面に応用されるだろう」

2013/02/19

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