情報処理学会・HCI研究会で加藤慎一朗さん(情報科学修士2)が学生奨励賞を受賞
発表テーマは「Twitterから得られる自然言語情報を用いて行う単語への感情付加手法」

加藤慎一朗さん

 情報科学研究科修士2年の加藤慎一朗さん(濱川研究室、担当:濱川礼教授)が、情報処理学会・第148回ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会で、「Twitterから得られる自然言語情報を用いて行う単語への感情付加手法」のテーマで発表し、学生奨励賞を受賞しました。

 学生奨励賞とは、毎回の研究会における「学生による発表」のうちから、優秀なものを若干数(0~2件程度)選出して表彰するもので、受賞対象者は発表者の学生に限定されます。選定された受賞論文にはHCI研究会ウェブページで紹介するとともに、受賞者には表彰状を贈呈されます。2009年度から設けられた賞です。(http://www.sighci.jp/

 

●発表テーマ「Twitterから得られる自然言語情報を用いて行う単語への感情付加手法」

 人によって、単語を使う時のニュアンスは違います。例えば、Twitterなどで文章を投稿する際、「英語」が好きな人は英語に対してプラスの感情を抱きますし、「英語」が嫌いな人は英語に対してマイナスの感情を抱きます。

 私が開発した手法では、Twitterを使用して全ての単語に対して感情情報を付加します。その人がどのような感情を持って単語を使用しているかがわかることで、人が単語を使う際の細かいニュアンスを表現できます。感情の判断にはTwitterを使用しています。例えば「英語にイライラする」とツイートすると「英語」に対して怒りの感情値が、「英語って超楽しい」とツイートすると「英語」に喜びの感情値が、「英語で忙しくて泣きそう」とツイートすると「英語」に哀しみの感情値が付加されます。感情が付加された状態の「英語」と同時にツイートされた単語に対しても感情値を付加し、これを繰り返していくことで全ての単語に感情情報を付加します。これを、様々な物事に応用するこができると考えられます。

 また、研究会で本システムを発表後、その応用例として、ユーザ推薦システムを開発し、修士論文「Twitterを使用した感情分析APIと それを用いたユーザレコメンデーションシステム」としてまとめました。例えば、「英語」が好きで「数学」が嫌い、といった、ユーザの好き嫌いを考慮した類似ユーザ推薦を行うことができます。

(情報科学研究科修士2年・加藤 慎一朗)

2013/01/31

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