情報科学研究科修士課程1年の松久ひとみさんと秋月秀一さん
「精密工学会サマーセミナー2012」優秀発表賞

 2012.9.4-2.jpg

 

 大学院情報科学研究科修士課程1年の松久ひとみさんと秋月秀一さん(橋本学研究室)が、9月4日に犬山市で開催された「精密工学会サマーセミナー2012」で、優秀発表賞を獲得しました。

 同賞は、画像処理技術に関する研究において特に優秀な研究発表をおこなった若手研究者に贈られるもので、今年度は全国から発表された23件の研究の中から3人が選ばれました。

 受賞発表名は、松久さんが「微妙な表情変化検出のためのGabor特徴を用いた学習型顔認識手法」、秋月さんが「3-Dベクトルペアを用いた複雑シーンからの高速物体検出」。いずれも技術的な高さとプレゼンテーションのわかりやすさが高く評価されました。なお橋本研究室は、昨年度に続いて2冠を達成しました。

 

●「微妙な表情変化検出のためのGabor特徴を用いた学習型顔認識手法」  松久 ひとみさん(情報科学専攻1年)

 私が開発した技術は,人間の微妙な「喜び」の表情変化を高精度に認識する技術です。カメラで撮影した画像をコンピュータで解析し、Gaborフィルタと呼ばれる特殊な空間フィルタと、学習型識別アルゴリズムの組み合わせにより、実用的な性能を達成しました。

 人間の表情認識は未来のロボット共生社会にとって不可欠です。今回の受賞で、本研究がメディア分野で重要視されていることを再確認できました。今後は、成果を論文にまとめて国際会議で発表する予定です。

 

●「3-Dベクトルペアを用いた複雑シーンからの高速物体検出」  秋月 秀一さん(情報科学専攻1年)

 産業ロボットの重要な仕事に「ビンピッキング」があります。これはロボットアームが組み付けのために部品を拾い上げることですが、その部品が「どこに」「どの姿勢」で置かれているのかをカメラで見て、瞬時に認識することが重要です。私は,3-Dベクトルペアと名付けた独自のデータ処理単位を考案し、これの発生確率を分析することによって極めて高速な物体認識を実現しました。約1年前から取り組み始めたテーマですが、今回の受賞で技術の高さが認められ、非常にうれしく思っています。これからは実用化に向けて、さらに完成度を高める研究を進める予定です。

 

●指導教員の橋本学教授のコメント

 いずれの研究も、未来のロボットや機械システムにとって重要な先進的技術ですが、それだけに世界中にコンペティタが多く、アイデアの着想とともに地道な実験や分析がかかせない研究分野です。毎日遅くまで実験し、休日返上で研究に没頭した努力が報われたのではないかと思います。 

2012/09/18

  • 記事を共有