国際教養学部セメスター留学(海外課題研究)
「フランスで学んだ絆」

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箕浦さん(左端)とホストファミリー

 初めての留学。何もかも新鮮でした。語学力だけでなく、経験し乗り越えてきた全てのことが私の自信と誇りになりました。その中でも、ホストファミリーと過ごした時間と築いた関係はこれからも消えることのない、かけがえのない宝物になりました。

 私は留学中の多くの時間をホストファミリーと過ごしました。週末はもちろん、平日の放課後に一緒に料理を作ることや、夕焼けの中散歩に行くこと、議論好きなお父さんとカフェを片手に半日話し込むこともありました。このように多くの時間を共有したため、自然と日常会話に慣れていきます。初めは話すスピードが速くて聞き取りづらいと感じたり、思い通りに表現できずに歯がゆく思うこともありました。それでも家族のひとりとして温かく接してくれる人々との会話は、単に語学のためだけでなく、思いや考えを伝え合うことの喜び・楽しさを教えてくれました。日毎進歩を感じ、気がつけばナチュラルなスピードの会話にも、無理なく加わることができるようになっていたのです。

 ホームステイ形式でフランス人の家族と暮らすことは、異文化の中での生活を知り、“生きたフランス語 ”を学ぶのに最良の方法だと実感しました。 生活の基盤に常にフランス語があり、文字通り「フランス語に囲まれる」状態になるからです。土曜日の朝、市場へ買い物に行く、バカンスには海で日光浴をする――そんな「フランス流の生活」を身近に感じ、しかもその生活を共にすることができるのは、ホームステイならではの素晴らしい点です。

 ファミリーと暮らし絆を育んでいく毎日は、単に語学の点だけではなく、コミュニケーション能力を培うことにも繋がります。毎週日曜にファミリーと参加していたミサでその地域に住む人々と出会い、またファミリーの友人、そしてその家族と、どんどん交流の輪は広がりました。このように家族を中心に広がった交友関係は多岐にわたり、世代を問わない友人がいます。文化も言語も超えた出会いと、その人々との交流によって磨かれたコミュニケーション能力は、私の人生において心強い支えになるでしょう。また将来日本と世界を結び、日本の文化を世界に伝えたいと願う私にとって、これらの交流は夢へのステップにもなりました。

 「あなたが結婚して家庭を持っても、歳をとっても、いつまでも私たちは家族」――ホストファミリーが贈ってくれたその言葉は忘れられません。“もうひとつの家族”と呼べる絆を得たことは、私の留学の大きな成果のひとつです。ホームステイという環境の利点を最大限引き出してくれた私のファミリーに感謝するとともに、これから留学を考えている皆さんに素晴らしい出会いが待っていることを、心から願います。

(国際教養学部2年 S110092 箕浦 祥子)

2012/03/02

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