国際英語学科の実践科目『国際ビジネス研修Ⅱ』
~経営シミュレーションで国際経済への対応力を養う~

  4月19日に行われた株式の模擬売買ゲーム演習に引き続き、5月9日、経営シミュレーション演習の専門家である中山雅之准教授(国士舘大学)を本学にお迎えし、“The Company (The Structure of a Company) ” というプログラムを使用して会社を経営する「シミュレーション演習」が行われた。
  この演習は21世紀の自家用航空機 “パピルス”(仮名)を製造販売する会社を経営するというものである。履修者22人は当日のグループワークを円滑に行うため、経営に関する事前学習を充分に行なってから参加した。

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中山氏より概要の説明
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会社ごとに販売ターゲットを決める
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損益計算書を作成

  日曜日ではあったが、朝8時半には全員が第2マルチ演習室に集合し、夜の8時近くまで一日をフルに使った長丁場の集中演習となった。22人が5つの会社に分かれ、それぞれの会社に資本金1,200万円が与えられた。そして会社の役職分担を実施し、企業理念を決めて会社を設立した。履修者は事前に配属された会社単位で経営に必要な項目をまとめ、それをもとにマーケティング・販売ターゲットなどを決定し、いかに会社が多くの利益を上げることが出来るかどうかを競い合った。また、実際の会社と同様に自分達の会社の損益計算書や貸借対照表を幾度となく作成し、各々の経営がどのように決算書に反映されていくのかを学んだ。
  このことは、就職活動を控えている私たちが興味のある企業を調査する際に、決算書を参考にして会社の経営状態を知る力を養うことにつながると思われる。
  例えば、会社が事業で数億円の利益が出たと公表されたときに、単に数字だけを見て、「この会社は成長している」と判断するのではなく、その利益が全体の収益のどれくらいを占めているのか、またその特定の事業にどれくらいの投資がなされたのかなどを知ると、全体を把握出来るようになるのである。
  実際に私が経営した会社は投資に失敗して、決算第三期で赤字を計上してしまった。
  またあるグループは、最初赤字経営であったにも関わらず、経営方法を見直し黒字に転換させることに成功した。 私たちはただ単に会社がどのくらいの高い利益を計上できるのかを競い合うだけではなく、この実践演習を通して経営戦略を練り、会社をうまく経営していくための課題や会社の経営活動を詳しく知ることができた。

  今回の経験をこの先の自分の将来への励みのひとつとしていきたい。国際英語学科は英語力の養成だけを目標としているのではない。
  私たちを取り巻く国際経済に対しても積極的な姿勢でアプローチして、それらに関わる企業などを調べることにも取り組んでいる。
  英語力の養成と国際経済への対応力、この双方の修得をめざして、これからも仲間と手を携えて進んで行きたい。

  日曜日でありながら、講師として終日ご指導いただいた中山雅之准教授はもちろんのこと演習をする機会を設けて頂いた境賛三教授(国際英語学科長)、山川慶記さん(特任講師)に深く感謝している。ありがとうございました。

(国際英語学部国際英語学科3年 加藤 賢)

 

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2010/05/24

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