加藤良将さん(メディア専攻、博士3)の作品《Rokuro-2》
学生CGコンテストのインタラクティブ部門で優秀賞

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  情報科学研究科メディア科学専攻の加藤良将さん(博士3)のメディアアート作品《Rokuro-2》が、文化庁メディア芸術祭協賛事業として開かれた第15回学生CGコンテストのインタラクティブ部門で優秀賞を受賞した。
  学生CGコンテストはコンピュータやデジタル技術を使った作品を通じて、未来を担う若い才能の発掘と作品発表の場を提供することを目的に1995年にスタート。静止画部門、動画部門、インタラクティブ部門があり、加藤さんが受賞したインタラクティブ部門には125作品の応募があった。
  加藤さんの作品《Rokuro-2》は、同コンテスト受賞展として、2月3日より14日まで、東京の国立新美術館でメディア芸術祭と同時開催される。また、表彰式は会期中の2月6日に行われる。

■受賞作品《Rokuro-2》の紹介
  コンピュータやデジタル技術の発達によって、様々な造形が表現可能となってきた。3D表示可能なディスプレイも登場しているが、実際に触れるという感覚の欠如があると感じることが多い。たとえば、小さい頃に誰もが経験する「粘土細工」は、ものに直接手で触れることで形作られている。もの作りにおいては、このような「触れる」ということが重要な要素であり、本作品により感じてもらいたいことと考えている。
  本作品では、LEDによって色が付加された光ファイバーを高速で回転させることで、視覚的にも触覚的にも立体感を感じることができる。その動きは陶芸の「轆轤」のような動きを見せ、実際に触ることで様々な変化する形体を作ることができるようになっている。センサを用いたデジタルな制御と人の参加によるアナログな制御によって、今まで見たこともない不思議な球体を見ることができる作品である。

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■優秀賞を受賞して
  本作品は、2006年に制作した《Rokuro/均衡》をシリーズ展開したもので、現在では《Rokuro-3》(2009年制作)まで制作しました。本作はこれまでにNHKで放送されている「デジタルスタジアム」で紹介されるとともに、多くの展覧会で発表を行いました。そのとき、鑑賞者には「シャボン玉みたい」「轆轤のようだ」「ずっと見ていても飽きないよね」などの感想をいただきました。また、会場に来ていた子どもたちは、大変気に入ってくれたようで何度も触りにきてくれました。
  本作品の制作を通じて、様々な展覧会で鑑賞者の方と話す機会があり、作品のコンセプトである「触ることの重要性」について、多くの人が共感してくれるとともに、様々な貴重なご意見をいただきました。これからも、今回の受賞を励みに制作を続けていきたいと思っています。

(メディア科学専攻博士3年 加藤 良将)

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2009/11/30

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